(最終更新月:2022年11月)
✔当記事はこのような方に向けて書かれています
「80歳で保険ってそもそも必要なのだろうか?」
「80歳でも入れる保険ってあるのかな」
「入れる保険があるとしたらどうやって選べば良いの?」
✔当記事を通じてお伝えすること
- 80歳で保険に入るべきかを判断する方法
- 80歳で保険を見直すときのポイント
- 80歳で入れる保険について
当記事では、80歳の方が保険はそもそも必要なのかという疑問にお答えするのはもちろん、入るとしたらどんな選択肢があるのかも解説しています。
ぜひ最後までご覧ください。
80歳で保険の必要性を判断するために知っておくべきこと5選

80歳の方に保険が必要かどうかを判断するために知っておくべきことをお伝えします。
80歳で保険の更新や満期を迎えている方が多く、周りのご家族をふくめて、このあとどうすれば良いかわからないという方が多いです。
- 日本人の健康寿命は長い
- 高齢者向けの医療制度
- お金を残すべき人の存在
- お持ちの資産を整理
- 保険金の特徴を理解
日本人の健康寿命は長い
日本の健康寿命が長いことを理解する必要があります。
昔であれば、80歳までで充分だった保険も、今は元気でいらっしゃる方が多いのです。
参考までに80歳時点でお元気な方の平均余命は以下のとおり。(出典:令和3年簡易生命表|厚生労働省)
- 男性:約9年
- 女性:約12年
長くお元気でいらっしゃるのは素晴らしいことですが、その分保険によっては80歳で切れてしまうと困ってしまうご家族もいらっしゃるのです。
高齢者向けの公的医療制度は?
自分がどの制度を受けられるのか、その費用にはいくらかかるのか、などを確認しておく必要があります。
なぜなら、75歳以上になると、医療や介護の支援制度が大きく拡充されるからです。
後期高齢者向けの公的医療制度には大きく2つあります。
- 後期高齢者医療保険
- 介護保険
後期高齢者医療保険
75歳以上の高齢者は、国民健康保険の加入者や協会けんぽの加入者であっても後期高齢者医療制度に加入することになります。
医療費が原則1割負担となり、現役並み所得のある方は3割負担となっています。
介護保険
65歳以上の人は、介護保険の第1号被保険者となります。
給付を受けられる要件は以下のとおりです。
- 要介護状態(寝たきり、認知症等で介護が必要な状態)
- 要支援状態(日常生活に支援が必要な状態)
保険料の負担は1~3割で、所得に応じて異なります。
今は健康であっても、将来に向けてどのような公的サービスが受けられるかを確認しておきましょう。
お金を残すべき人の存在
誰かにお金を残す必要がある方は、生命保険が必要になる可能性が高いです。
なぜなら、万が一の時に支払ったお金の何倍も残せるのが生命保険だからです。
例えば、以下のような方はお金を残す必要があるでしょう。
- 生計を支えている家族がいる
- 資産が多く、相続税がかかってしまう
- 事業承継の必要がある
万が一の時にお金を残す必要があるかを考えてみてください。
お持ちの資産を整理
お持ちの資産がどのくらいあるかも、知っておくべきです。
なぜなら、保険以外の資産を多く持っていれば、家族の生活には困らない可能性が高いからです。
保険が大切なのではなく、家族が困らないことが第一に考えるべきこと。
お持ちの資産をトータルで考えて、家族にどのような負担がかかるかを考えましょう。
保険金の特徴を理解
保険金の特徴を理解しておくことも、保険の必要性を考えるうえで大切です。
保険には以下のような特徴があります。
- 500万円 × 法定相続分の非課税枠がある
- 原則、遺留分の算定に入らない(例外あり)
- 保険金は即現金化できる
自分が加入している生命保険の死亡保険金や生存保険金の仕組みをしっかりと確認する必要がありそうです。
80歳で保険を見直す際に見るべきポイント3選

保険を見直したい方に向けて、保険の見直すべきポイントをご紹介します。
保険の見直しも、何も考えずにおこなうと、無駄なものに入ってしまう可能性があるからです。
- 保障内容
- 保険料
- 保険期間
保障内容
加入している保険の保障内容を確認する必要があります。
思っているのと違うものや、不要なものが付いてたりすることが多いです。
例えば以下のような項目をチェックしてください。
- 死亡保険の保険金と特約の有無
- 医療保険で入院時と手術時にそれぞれどのくらい出るかや特約の有無
保障内容は以下のようなタイミングで、変更になるものも多いです。
- 配偶者の死亡がきっかけで、夫婦の生活資金を準備する必要がなくなった。
- 事業承継に伴って、相続人に株式などの負担が増加する可能性がある。
- 未婚の子供が、結婚して孫が生まれた。
保障内容が現状に合っているかをきちんと確認しましょう。
保険料
保険の見直し時には、保険料も確認してください。
保険料がそもそも生活水準に見合っていなかったり、他社でもっと安いものがあったりするからです。
心配で保険をかけるのもわかりますが、払い過ぎはよくありません。
保険期間
保険期間も必ず確認しましょう。
保険には主に2種類の保険期間があります。
- 終身
- 定期
定期の場合は、一般的に5年から30年などの間のどれかになっているはず。
期限を迎えると自動的に更新し、値段が上がってしまうことになります。
見直し時に、保障の目的に合わせて、保険期間を選ぶようにしましょう。
80歳で入れる保険種類とその目的

ここでは、80歳で保険にはいれる保険種類とその目的を説明します。
80歳で入れる保険にも種類があり、それぞれの特徴が異なるのです。
- 終身保険
- 定期保険
- 医療保険
- がん保険
終身保険
終身保険は、万一のときに、必ず負担させてしまうお金に備えるものです。
その理由は以下のとおりです。
- 保障が切れない
- 保障額の割には割高
短期的なリスクに備えるには、保険料が高くなってしまいます。
例えば、以下のような目的であれば終身保険が良いでしょう。
- 葬儀費用
- 相続税対策
目的に合っているのであれば、多少高くても意味がある保険といえます。
保険料 | 保障額 | 支払期間 |
---|---|---|
46,310円 | 500万円 | 終身 |
定期保険
定期保険は、一定期間の大きなリスクに備えるものです。
期限が定まっている分、割安で保障を付けられます。
例えば、以下のようなものが一般的です。
- 配偶者や生活費
- お子様の生活費や学費
- 団体信用生命保険外の住宅ローン
配偶者自身の公的年金と遺族厚生年金など、受け取ることができる年金額を差し引いて算出しましょう。
保険料 | 保障額 | 手術給付金 |
---|---|---|
38,090円 | 500万円 | 10年 |
医療保険
医療保険は、入院や手術費に備えるものです。
ただし入り過ぎには注意しましょう。
なぜなら、80歳以上の方は原則医療費が1割負担だから。
高額の医療費を支払ったとしても、高額療養費制度で還付されます。
無駄に入らなくて済むように、公的な制度と照らし合わせながら決めてください。
保険料 | 入院給付金額 | 手術給付金 |
---|---|---|
4,935円 | 5,000円 | 無し |
がん保険
がん保険は、がんで入院したり、診断を受けたりしたときに給付金がでる保険です。
がんだけが給付対象になるため、医療保険よりも割安な傾向があります。
がんが心配な方は検討すべきですが、公的医療制度と合わせて検討しましょう。
保険料 | 診断給付金 | 通院保障 |
---|---|---|
2,596円 | 10万円 | 5,000円/日 |
持病持ちでの方でも入れる保険

持病持ちでも入れる保険をご紹介します。
持病により、保険加入をあきらめてしまう方がいらっしゃいますが、今は入れるものもあるのです。
- 引受緩和型
- 無選択型
引受緩和型
引受緩和型は、加入要件をゆるくした生命保険・医療保険です。
特徴は以下のとおり。
- 告知事項が少ない
- 保険料が割高
- 契約期間から一定期間を経過するまでは、保険金が削減される場合がある
保険会社により、金額や保障内容は大きく変わります。
ぜひいろいろと相談してみるのが良いでしょう。
無選択型
無選択型の保険は、告知義務がない保険です。
主には死亡保険でのみ、検討できるものとなります。
保障内容の選択肢が限られているので、保障内容に目的が合致するなら、検討しても良いかもしれません。
まとめ:80歳でも保険が必要なケースはある

当記事の内容をまとめます。
- 80歳で保険を検討する時は、保険以外の資産や制度と一緒に考えよう
- 80歳で入れる保険はまだまだある
- 80歳で保険が必要かどうかは、保険でリスクを補えるのかで判断しよう
保険に入ることは、ゴールではありません。
あくまでも保険に入ることで、自分や家族のリスクが軽減できるかが大切。
ただし保険の特徴を考えて、相続などでも役に立つことから、ケースによっては必要だといえるでしょう。