生命保険一括払いのメリット・デメリットや一時払いとの違い

生命保険

(最終更新月:2022年10月)

✔当記事はこのような方に向けて書かれています。

「生命保険一括払いと一時払いの違いは何?」

「生命保険一括払いのメリット・デメリットは?」

「生命保険一時払いのメリット・デメリットは?」

✔当記事を通じてお伝えすること

  • 一括払いと一時払いの違い
  • 生命保険一括払いのメリット・デメリット
  • 生命保険一括払いのメリット・デメリット

当記事では、生命保険一括払いのメリット・デメリットだけでなく、一時払いとの違いや、一時払いのメリット・デメリットもご理解いただけます。

ぜひ最後までご覧ください。

【監修者】ファイナンシャル・プランナー 西藤 裕(にしとう ひろし)

【保有資格】

  • AFP認定者
  • 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
  • トータル・ライフ・コンサルタント認定者(生命保険協会認定FP)
  • 生命保険募集人資格
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 簿記2級

 

【経歴】

  • 2011年〜2018年 プルデンシャル生命保険株式会社
  • 2018年〜 保険代理店、不動産会社と提携し、生命保険や不動産のコンサルティング業務に携わっています。

 

保険料の一括払い(全期前納)と一時払いの違い

生命保険料の一括払いと一時払いの違いをご説明します。

一見似ているので、同じような意味だと勘違いしてしまっている人が多いのです。

  • 一括払い(全期前納)とは?
  • 一時払いとは?
  • 生命保険料控除でみる一括払いと一時払いの違い

一括払い(全期前納)とは?

一括払い(全期前納)とは、本来数年かけて払い込む保険料を、前倒しして払い込む方法です。

月や年ごとに支払うのが嫌だと言う方が、選ばれる支払い方法になります。

保険会社が「保険料を一旦預かっている」状態にあり、運用をしながら、毎年被保険者に代わって適宜納めています。

一時払いとは?

一時払いの生命保険は、支払期間がなく、一回で払うことを前提に設計されたものです。

一回で払い込むことにより、運用できる元手が多くなり、解約返戻金率などが高い傾向にあります。

そのため、運用系の商品に多い支払方法です。

生命保険料控除でみる一括払いと一時払いの違い

一括払いと一時払いを理解するためには、生命保険料控除の観点でみるとわかりやすいです。

生命保険料控除はその年に支払った保険料から、控除額が計算されます。

どちらも払込回数は一回だが、生命保険料控除の取扱が異なるのです。

  • 一括払いは、毎年控除対象となる
  • 一時払いは、払い込んだ年のみ控除対象となる

一括払いは、全期前納という名の通り、期間分を前倒しで払っているだけ。

そのため前倒しで預かった分を、保険会社が代わりに毎年充当しているのです。

一括払い(全期前納)のメリット

一括払いのメリットを説明します。

もしメリットが感じられるなら、一括払いを検討すべきです。

  • 保険料の割引がある
  • 解約返戻金は通常の支払い時と変わらない
  • 未経過保険料が死亡時や解約時に戻る
  • 支払期間中は毎年生命保険料控除の対象になる

保険料の割引がある

一括払いには、保険料が割引されるというメリットがあります。

なぜ割引されるかと言うと、先に預かった保険料を運用できるから。

運用に回せる分、割引が効くのはメリットといえるでしょう。

解約返戻金は通常時と変わらない

保険料が割引になっても、解約返戻金は通常時と変わりません。

なぜなら解約返戻金は将来のために積み立てておくお金なので、支払い方法により変わるわけではないからです。

保険料が割引になりながらも、同じ解約返戻金を得られるのはメリットといえます。

未経過分の保険料が死亡時や解約時に戻る

未経過分の保険料が、死亡や解約時に返ってくるのもメリットといえます。

なぜ返ってくるのかというと、保険料一旦保険会社が預かっている状態だから。

本来払うはずだった保険料のみ、差し引かれて残りが返ってくるのです。

支払期間中は毎年生命保険料控除の対象になる

支払期間中は生命保険料控除の対象になることも、一括払いのメリットです。

なぜ対象になるかという理由は、前倒した保険料を保険会社が預かり、毎年代わりに納めていることになっているから。

新生命保険料控除であれば、上限は「4万円」です。

毎年4万円の所得控除ができるのは、メリットといえるでしょう。

一括払い(全期前納)のデメリット

一括払いのデメリットを説明します。

良い点だけでなく、懸念点もしっかり理解しなければなりません。

  • まとまった支払いが必要
  • 一時払いと比べると解約返戻金が低くなる

まとまった支払いが必要

まとめて支払わなければならないのは、一括払いのデメリットです。

保険期間分の保険料を一括で、支払う必要があります。

保険期間や保障額、保険商品によっては1,000万円以上が必要なことも。

無理なく払える中で、どんな保険が入れるのかをしっかりと見極めましょう。

一時払いに比べて解約返戻率が低くなる

一時払いと比べて、解約返戻率が低くなる可能性があります。

それは預かったお金を全て保険に回しているわけではないからです。

その分、解約や死亡時には、未経過保険料が支払われます。

きちんとデメリットも理解のうえ、一時払いとどちらが良いのかを検討しましょう。

一時払いのメリット

一括払いと比較して、どのような利点があるのかを解説します。

それぞれの良さを理解したうえで、意向に合うものを選びましょう。

  • 解約返戻率の立ち上がりが早い
  • 支払保険料が少ない

解約返戻率の立ち上がりが早い

解約返戻率の立ち上がりが早いのが、一時払いのメリットです。

なぜなら預かったお金を最初から保険に充当し、運用できるから。

お金を預けて、増やすのが目的なら、一時払いを検討すべきだといえます。

支払保険料が少ない

一時払いは、支払保険料が少ない傾向にあります。

なぜ少ないかというと、保険期間の保険料を全額一括で支払い、運用できるからです。

支払いの総額を抑えたいなら、一時払いがおすすめです。

一時払いのデメリット

一時払いのデメリットも見ていきましょう。

メリットだけでは無いのです。

  • 生命保険料控除は一度しか使えない
  • 未経過保険料が存在しない
  • まとまった支払いが必要

生命保険料控除は一度しか使えない

一時払いでは、生命保険料控除は一度しか使えません。

保険の支払回数を最初から一回にしている保険だからです。

どれだけ払込み金額が大きくても、上限4万円の生命保険料控除が1度のみ適用されるだけです。

毎年生命保険料控除の適用がある一括払いと比べると、税制面ではすこし不利といえるかもしれません。

未経過保険料が存在しない

未経過保険料がないことも、一時払いのデメリットといえます。

早期の解約や死亡時にも、支払った保険料が一円も戻ってこないということになるからです。

例えば、15年間の保険を一時払いで契約し、その1ヶ月後に万一が起きたとしても、支払った保険料は一円も戻りません。

保険の目的やリスクを考えて、一時払い保険の加入を検討しましょう。

まとまった支払いが必要

一時払いは、一回払の保険なので、まとまった資金が必要となります。

通常の保険では分割で払えるところ、一回払にしている保険だからです。

生活で急なお金が必要になった時など、生命保険料を一時払いしていることが、ハンデになってしまう可能性があります。

貯蓄に余裕がない時は、本当に契約してもよいか検討すべきといえます。

まとめ:一括払いに入るなら、まずは加入の目的を整理すべき

当記事の内容をまとめます。

  • 生命保険一括払いとは、先の期間分も前倒して払うこと
  • 生命保険一時払いとは、最初から一回払の保険
  • 一括払いと一時払いは、目的によって使い分けるべき

生命保険の一括払いと一時払いは一見似ていますが、実際は大きく異なる仕組みになっています。

今回一括で払いたい目的が何なのかをしっかりと整理して、どちらが良いのかを判断すべきでしょう。

例えば、運用なら一時払い、単に保険を少しでも安く払いたいなら一括払いなど、加入目的をひとつずつ整理してください。

目的がはっきりすれば、入るべき保険も見えてくるはずです。

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